脳科学・遺伝学に基づく「催眠療法」
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自己催眠

 
 自己催眠は、関心がある方は十分に理解されているように、自己コントロールのために必須のテクニックであり、また自己実現のためのツールといえます。

 自己内部に催眠状態を作り出し、自分自身に働きかけるテクニックである自己催眠術は、決して難しいものではありませんが、独学で身につけるには難点もあります。なぜなら、独学では、自分が作り出している催眠状態に「これでよし!」といった確信が持てないからです。

 自己催眠を一旦身につけると、自分自身で様々な条件づけができるようになります。
 条件づけとは、特定の条件反射や反応を反復訓練によって引き起こすことを指します。「コンディショニング(conditioning)」とも呼ばれます。

 条件反射や反応とは、特定の条件を満たした時に起きる反射や反応ですが、よく話に出てくるのは、パブロフの犬の実験です。
 犬に餌をやる時にベルの音を聴かせていたら、ベルの音を鳴らすだけで餌がもらえることを予測して唾液を垂らすといった生理反応が見られます。私たちも、レストランでメニューを見ている間に食欲が出るのと同じです。こうした反射的な脳の再現性を活用します。

 自己催眠における条件反射の一例として、瞬時に自己暗示を受け入れることができる催眠状態を作り出せるようになることや、さらに強化によって催眠状態を作り出すまでもなく、自己暗示を与え、その効果を引き出せるようにもなります。

 このような自己催眠の反復実践によって、次第に、意識して暗示を与える努力をしなくても無意識に必要な反応を作り出し、望みを満たせるように洗練されていきます。

 こうした自己催眠での自己の脳機能への働きかけによって、性格改善やトラウマ環境によって形成された反射的反応なども改善していくことができます。

 さらに自己催眠の実践によって、直感的な洞察が磨かれ、精神的な目覚めや啓示を受けるような深い理解を得て心の問題が解消されることが起こる場合もあります。

 自己催眠は深いリラクゼーションを促し、ストレスホルモンのレベルを下げることができ、ストレス耐性を強化します。また、マインドフルネス瞑想と同様に、自己受容や現在の瞬間への注意を高めることができ、これは過度の心配や焦慮を緩和するのに役立ちます。

 自己催眠をマスターすることのメリットは書ききれませんが、人生において自己向上を願う場合には欠かせないスキルとなることでしょう。それは、自己肯定的なメッセージを自ら内心に送ることができて、自己信頼や自尊心を向上させるのに役立つからです。

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