脳科学・遺伝学に基づく「催眠療法」
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脳の誤作動、心の反映


 このように作られた自己像によって、人の視線を受けた時に、自己の心の反映として、自己否定感が無自覚に起きるようになっていきます。

 長年の精神的ストレス環境によって、脳の機能不全が常態化して、自分に対する歪められた自己評価の反映が彼女を苦しめ続けていたのです。

 自己評価というものは、SAD で苦しんでいる人の場合ネガティブなことが特徴といえます。自分自身を否定的に評価してしまう心の状態が生育過程で形成されていくのです。

 これを認知の歪みと表現したり、歪んだ自己評価とも表現したりしますが、“ 歪み” といった表現は適切とはいえないかもしれません。自己像における間違った認知であっても、本人にとっては、生育歴の中で受け入れた自分の実態であり、別の視点で自己を捉えることができる環境が与えられなかったのです。それ以外の自己像など考えられず、客観的に見ればネガティブでも、本人にとっては、確信できる自己評価なのです。それゆえに周囲の目を意識した時、自信のない自己の心が反映し、批判や攻撃を恐れてしまうのです。

 彼女は、自分がなぜ現在苦しみ、症状に悩んでいるのかという因果関係を理解し始めたころ、こんなことも口にされていました。

「今まで、自分一人の努力不足と思っていたのですが、それだけではないということでしょうか……。良い人間関係を築いたり、人目を気にせず生活したりできるという感覚がもう分からなくなっている状態です。でも、治ると思うとそれだけで気持ちが軽くなります。ありがとうございます」

 彼女の自己評価に対する認知の修正を行っていき、傷ついた子供時代の心を催眠状態で癒していく中で、SAD で苦しんできた人生の流れの客観的な理解が進み、内在化していた自己評価を修正してもよいのだといった心の変化が生じて、苦しかったSAD から解放されつつあるころ、以下のメールをいただきました。紹介しておきます。

「井手先生 お世話になっております。外を歩いている時や電車に乗っている間の過度な緊張感はほぼなくなり、その状態が定着してきたように思います。気が緩むと少し戻ってしまいそうになることもありますが戻らないように頑張ります。また、夜に5時間以上続けて眠れるようになりました。あまり気にしてはいませんでしたが、今までは3時間以上連続で眠れたことがほとんどなかったので良かったです」といった嬉しい内容です。

 その後のメールも、
「実は、不思議なことに加速的に症状が改善してきまして、身体に力が入ることもなくなってきて、人と話すことも苦痛ではなくなり、本当に楽になりました。このまま音声を聴き続けていけば、恐らく近いうちにほとんど症状が出なくなるのではと思っています。まだまだ症状の改善には時間がかかると思っていましたので、私自身本当に驚いています。長年苦しんでいたことが嘘のように視界も明るくなり、今まで何が怖かったのか不思議に思えるようになりました。
先生には本当に感謝しかありません。ありがとうございました(^^)」との、心から嬉しいご報告でした。
 音声と書かれているのは、いつも聞いてもらうために作成した、催眠暗示の録音再生する蝶の画像のことで、彼女はそれを熱心に聞き続けていました。

 このように人は変われるのです。
 正しい処置を施し、努力することで、長い年月で変化してしまった心(脳の構造及び機能異常)は修正されていきます。諦めることはありません。

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