脳科学・遺伝学に基づく「催眠療法」
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環境と過去の心

 パニック発作を経験した人は、交通が渋滞したトンネルの中とか、Uターンできない高速道路や、細い道や、劇場の中など、「出るに出られない空間や状況への拒絶感」を訴え、「自由を奪われた環境や制約のある状況は息苦しく感じる」とよく口にされます。これらの環境や状況こそが、パニック発作の真の原因といえるトラウマ(過去の心)とリンクしていることを理解する必要があります。こうした理解なくしては、パニック障害を克服することはできません。

 パニック発作が、過去に苦痛を経験した心によって誘発させられる際には、その心情に気づくことなく、発作当時の環境や状況のみに意識が向かっている状態です。しかし、このような発作に怯えるだけでは予期不安の世界を拡大させるだけであり、解決にはならないのです。

 日常生活において、パニック発作を体験する数ヶ月前から続いている精神的ストレスによって脳疲労は蓄積されます。そうした脳疲労が限界に達して、発作が発生するとともに、警戒反応や回避行動に関連した神経回路の機能不全を起こしている状態なのです。

 なぜ長期間に渡り脳疲労を起こしているのでしょうか。
 それこそが、気がつかないままに子供時代(のトラウマ)と同質の精神的ストレスに、現在の状況や環境でさらされ続けているということなのです。

 パニック発作が起こる原因は、必ずしも発作が生じた時点の環境や状況だけではありません。多くの場合、その真の根源は過去の精神的な苦痛によるトラウマにあるのです。この事実を受け入れるのは容易ではないかもしれませんが、発作は実際には心が過去の持続的な苦痛、すなわちトラウマに反応して生じます。

 しかし、なぜか「治らない」と誤解し、「生涯、症状とうまく付き合っていくしかない」と決めつけてしまっている人が多いのは、実に残念なことです。
 
 発作が起こる時、それは幼少期から抱え続けてきた“ 苦痛な心の世界” と無意識に結びついてしまうのです。この連鎖は自由を奪われた環境に限らず、パニック発作は起こることがあります。そのようなケースでは、現在の精神的な苦痛が無自覚な過去のトラウマによって過剰に増幅され、自律神経の働きが乱れ、交感神経が過度に興奮し、脳が疲弊した結果、発作が引き起こされるのです。

 心的メカニズムを踏まえた上で、適切なアプローチによってパニック障害と予期不安を改善していきます。

「心の病」の中では、パニック障害はとても治しやすい症状の一つです。

 一方で、乗り物の恐怖を克服しようと、薬を服用しながら頑張って苦痛な乗り物に乗って慣れようと努力する人もいます。しかし、真の原因が解消されていない限り、つねに心的モニタリングをしながら予期不安に怯え、経験した症状を思い出してしまい、かえって症状に恐怖を感じる条件反射が強化されてしまうのです。

 繰り返しますが、すべての心の症状は、原因があって症状という結果が発生するのです。こうした症状にいたった因果関係が正しく理解できれば、理性的脳の働きによって、自律神経を狂わせている情動作用を抑制できるようになり、扁桃体の過剰興奮も生じず、症状が反射的に起きる状態から自己を解放できるようになるのです。
 そのためには、幼児期からのトラウマの解消が必然なのです。

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